ワイドボックスはワイド馬券の一種で複数の競走馬を選び、それらすべての組み合わせをボックス形式で購入する賭け方です。この方法は単に3着以内に入る可能性のある馬を選んで組みわせるため、選んだ競走馬がレースで上位3着以内に入る確率を比較的難易度をおさえて高めることができます。
以下では、ワイド馬券の買い方であるボックスと流し、フォーメーションを比較してみていきます。
ボックスとは
ボックスとは、複数の競走馬を選んで賭ける方法です。
競走馬の1番、2番、3番をワイドボックスで選んだ場合、賭けの組み合わせは「1-2」「1-3」「2-3」になります。
この方法では、選んだ競走馬のうち2頭がレース内で上位に入れば的中となり、的中率を高めるためには、賭ける競走馬の数を慎重に選ぶことが重要です。
流しとは
流しは、軸馬を据えて相手馬を複数頭選んで馬券を購入する方法です。
競走馬の2番を中心に据え、3番、4番、5番を相手馬としてワイド流しで馬券を購入した場合、賭けの組み合わせは「2-3」「2-4」「2-5」になります。
流しの賭け方では、中心となる競走馬と相手馬の両方がレース内で3着以内に入る必要があり、難易度が高い馬券なため、購入する際には慎重さが求められます。
フォーメーションとは
フォーメーションは、1頭目と2頭目の位置にそれぞれ競走馬を1頭以上選んで、その組み合わせを全て同じ金額で賭ける方法です。
1頭目には3番と7番を選び、2頭目には4番、5番、6番を選んでワイドフォーメーションの馬券を購入した場合、賭けの組み合わせは「3-4」「3-5」「3-6」「7-4」「7-5」「7-6」の6通りになります。
1頭目と2頭目の組み合わせで勝負するため、各競走馬の実力や競馬場の条件をよく理解しておく必要があり、やや高い難易度の馬券と言えます。
競馬のワイドボックスの点数の出し方
ワイドボックスでは、選んだ競走馬全ての可能な組み合わせを購入するため、選ぶ競走馬の数が多ければ購入する馬券の数も多くなります。実際に馬券を購入する際の馬券数は、以下の公式を用いて計算することが可能です。
n×(n-1)÷2=購入する馬券数
※※nは選択した競走馬の数を示す
競馬場ではこの計算に時間を要することがあるため、競馬初心者の方はまず2頭から6頭までの選択時の馬券数を把握し、購入時の参考にしてみましょう。
選択する競走馬の数 | ワイドボックスにおける馬券数 |
2頭 | 1 |
3頭 | 3 |
4頭 | 6 |
5頭 | 10 |
6頭 | 15 |
競馬のワイドボックスの3頭・4頭・5頭買いのときの点数とおすすめレース展開
ワイドボックスでの3頭、4頭、5頭の買い方とそれに最適なレース展開について解説します。
初心者の方は、まず3頭・4頭・5頭の買い方の特性を理解し、ワイドボックス馬券を購入し、慣れてきたら選択馬の数を調整してみましょう
3頭買いのとき
3頭買いは3点で比較的点数が少ないため、実力馬が明確にいるレースで馬券を買うのがおすすめです。
1番・2番・3番人気の馬を選んで購入した場合、以下の組み合わせとなり、3つがすべて的中すれば配当金を多く受け取ることができるため非常に魅力がある馬券になります。
「1-2」「1-3」「2-3」
少ない掛け金で高い配当を受け取れることがあるため、競馬初心者の方にもおすすめな一方、予想が外れた際のリスクも大きくなるため慎重に検討するようにしましょう。
4頭買いのとき
4頭買いは6点と比較的点数が抑えられながら、幅広い可能性を秘めた買い方になります。
1番、2番、3番、4番人気の4頭を選んで購入した場合、以下のような組み合わせとなり、実力馬がはっきりと絞り込めないレースにおすすめの買い方です。
「1-2」「1-3」「1-4」「2-3」「2-4」「3-4」
馬券を買うときは人気馬のみだと不的中の際のリスクが大きくなるため、人気は低いが実力のある穴馬も含めて購入することで的中率向上が期待できます。
5頭買いのとき
5頭買いは、10点と大きいですが、競走馬の実力差が小さくレース展開が読みづらいレースにて回収率を上げる際に非常におすすめの買い方です。
1番人気、2番人気、3番人気、4番人気、5番人気の5頭を選んで購入すると以下の10通りの組み合わせが対象となり、幅広い組み合わせをカバーできるのが魅力です。
「1-2」「1-3」「1-4」「1-5」「2-3」「2-4」「2-5」「3-4」「3-5」「4-5」
注意すべき点は買い目が多く、回収率が低くなるリスクもあるため、自分がレースに投資できる金額の許容範囲と、レース予想の難易度を総合的に判断した上で購入するようにしましょう。
競馬のワイドボックスはなぜ最強なのか?理由3選
ワイドボックスは最強の馬券の買い方としばしばいわれることがあり、多くの競馬ファンが購入している馬券の1つです。
以下の3つが、ワイドボックスが最強と呼ばれる主な理由になるため内容を確認し、魅力を再確認していきましょう。
軸馬を選ばなくてもよいため的中率が高い
ワイドボックスは、他の馬券種と違って軸馬を設定する必要がない購入方法であるため、制約なく的中率を高めに設定できる魅力的な選択肢です。
軸馬を特定せずに、複数の馬を自由に組み合わせることが大きな特徴なため、競馬初心者でも軸馬選定で悩むことがなく買いやすい馬券といえます。
購入の際は点数が大きくなると比例して、投資金額も増加するというデメリットが存在するため的中予想と投資する金額のバランスを考えるようにしましょう。
買い目の点数が比較的少なくて済む
ワイドボックスは、少額での馬券購入を可能にする優れた購入方法です
例えば、2番人気、3番人気、4番人気、5番人気の4頭を選んで、3連複、3連単、ワイドボックスの各馬券を購入したとき、以下のように比較ができます。
購入方法 | 2番・3番・4番・5番の競走馬における組み合わせ |
3連複 | 「2-3-4」「2-3-5」「2-4-5」「3-4-5」 |
3連単 | 「2-3-4」「2-3-5」「2-4-3」「2-4-5」「2-5-3」「2-5-4」「3-2-4」「3-2-5」「3-4-2」「3-4-5」「3-5-2」「3-5-4」「4-2-3」「4-2-5」「4-3-2」「4-3-5」「4-5-2」「4-5-3」「5-2-3」「5-2-4」「5-3-2」「5-3-4」「5-4-2」「5-4-3」 |
ワイドボックス | 「1-2」「1-3」「1-4」「2-3」「2-4」「3-4」 |
3連単は最多の24通りの組み合わせで、3連複は組み合わせ数は少ないものの1着から3着までの馬を確実に的中させる必要があるため難易度が高い傾向です。
ワイドボックスは買い目の点数を抑えて少額購入を実現しつつ、着順を気にする必要がない買い方である特徴から、効率よく的中率を高めることができます
レースに投資する金額と的中率から算出される回収率の高さが、最も強力な馬券の1つといわれる所以といえます。
トリプル的中の可能性がある
ワイドボックスの中でも特に3頭買いには、選んだ競走馬3頭がすべて入着し、組み合わせが3つとも的中する「トリプル的中」が起こる可能性があります。
トリプル的中が発生した場合、回収率は非常に高くなり、選択した馬の中に穴馬がいた場合は通常よりもさらに高い配当金を望むことが可能です。
リスクはありますが、競走馬同士の実力は拮抗しているレースで3頭買いをすれば回収率が低い状況から大逆転することもできるため非常に魅力が高いといえます
競馬のワイドボックスの注意点2選
ワイドボックス馬券を購入する際には、以下の2点を事前に確認しておき注意を払う必要があるため、メリットとともにおさえておきましょう。
トリガミで回収率が下がる
ワイドボックスの大きな注意点は、的中率をあげようとして点数が膨大になり、レースに投入した金額が受け取った配当金を超えてしまうトリガミのリスクも伴う点です。
点数が28点のワイドボックス8頭買いを1点100円で購入し、3点的中したとしても配当金が600円だった場合、以下のように獲得金額はマイナスになってしまう可能性があります。
購入代金 | 28点×100円=2,800円 |
受取金額 | 3点×600円=1,800円 |
獲得金額 | 1,800円-2,800円=-1,000円 |
高配当が望めない
馬券が当たる可能性が高い一方、平均配当金額は約600円と必ずしも高い払戻金額を受け取れるわけではないのが現状です。
そのため、着実にコツコツ獲得金額を積み上げていく方にはおすすめですが、一気に高配当で回収率を高めたい方には不向きの買い方になります。
自分自身が的中率を重視するか高配当を重視するか、どちらのスタイルの方が良いかを踏まえて馬券の購入方法を一度考えてみることが重要です。
競馬のワイドボックスとは:まとめ
本記事では、ワイドボックスの基本的な内容や点数の出し方、3頭・4頭・5頭買いの特徴、最強馬券と呼ばれる理由、購入時の注意点などを取り上げてきました。
ワイドボックスはレースの展開が難化しても高い的中率を得られるため、初心者にも扱いやすい人気の馬券式といえるため「最強馬券」とも呼ばれています。
ただし、事前にレース展開を適切に予想し、買い目を十分に検討しないとかえって獲得金額がマイナスになる可能性もあるので注意が必要です。
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